小学校のうさぎ小屋

0356 本当にあった怖い名無し 2020/05/03 05:24:05
小学校4年生の時の事。
いつものように登校すると、みんなが騒いでいた。
夜間に侵入者が入り、兎小屋の兎がみんな殺されたのだった。
兎の頭だけが5つ、飼育小屋に並べて置いてあった。
当時はよくあった事件だったので、
ついに来たかと、悲しいながらも冷静な気持ちだった。
先生達が校庭の隅に墓を作ったので、クラスのみんなでニンジンを供えた。
殺された5匹の兎達に一本ずつ。計5本だ。

あくる日、登校して、墓を参りに行った。
墓には昨日のニンジンが無かった。
皆知らないと言う。
そんな時、5年生の飼育委員の人が現れて言った。

 

 

0357 2 2020/05/03 05:34:41
5本のニンジンが、うさぎの飼育小屋の中にあったと。
しかも、まるで兎が食べたようなかじりかけの状態で。

兎の幽霊がニンジンを食べた!

クラスはその噂で持ち切りだった。
先生達に、その話はするな。と怒られたが、
みんなおかまい無しだった。

結局、事件の犯人も、ニンジンの謎も、迷宮入りだった。


時はたち、6年生になった。
新しい兎達も入って来ていて、飼育小屋には活気が戻っていた。
そんな折り、また、殺兎事件が起きた。
早朝登校してきた飼育員の話だと
三羽の兎の頭だけが3つ、並べて置かれていたそうだ。
あの時と同じ。

 

 

0358 3 2020/05/03 05:46:57
皆忘れ欠けていたのに、
またも学校中は噂で持ち切りになった。

俺とクラスの友達数人で、
その頃流行っていた、少年探偵クラブなるものを結成し、ガキなりに調査を始めた。

「聞き込み」の結果、学校のすぐそばに住んでいる山根君から、
夜中、
「学校敷地内をうろつく見知らぬ人物」
を見たという情報を得た。
その情報を元に、俺達は、
次に来る兎を囮にし、犯人を捕まえてやろうと計画を立てた

夏が来て、兎小屋にも新しい兎が来た。今度はたった二羽きりだ。
不審者の情報をくれた山根君を探偵クラブ仲間に引き入れ、監視員に命じた。

 

 

0359 4 2020/05/03 05:57:54
「夜、できるだけ学校の方を監視する」
というアバウトな指令だ。

ある夜、山根君から連絡があった。
学校に入って行く、何か動物を連れた不審者を見た。と。
探偵クラブはすぐさま全員集合した。
武器はバットにスパナにハンマーだった。

静かに飼育小屋の方へ向かう。
いた。男だ。男が大きな犬をつれて飼育小屋の前に立っている。
物陰から様子を見ていると、
男は簡単に鍵を開けてしまい、飼育小屋の中に入った。
そして兎を抱き上げ、何かキラリと光る物を取り出した。
アッ!
と思った瞬間には、ゴロリと、兎の首は落ちていた。

 

 

0360 5 2020/05/03 06:06:56
血が勢いよく吹き出ていたのかもしれない。
暗くてそこまでは見えない。
男は、兎の胴体部分を両手に乗せ、大きな犬の方に差し出した。あれは、猟犬か何かだろうか。
犬は、兎の胴体に喰らい付いた。
男の手から、肉を食いちぎっては噛み、そして飲み込んで行く。
ゴクリ。俺達はみんな言葉も無く、ただ見ていた。
男が、残った骨らしきものを、透明なビニール袋にいれていく。
そしてそれを持ち上げた。
蛍光灯の光に照らされる。
とてもおぞましい物だった。
それを見て、仲間の一人が吐いてしまった。
全員躊躇する。

 

 

0361 6 2020/05/03 06:15:07
その音で、男が気付いてしまった。
こちらを向き、走って来た。
「逃げろ」
仲間の誰かが言った。
その言葉が出た瞬間、みんな一斉に逃げ出した。
走って、走って、山根君の家まで逃げた。

山根君の親に、そしてそれぞれの両親に、そして警察へ、
この事は伝えられた。
俺は両親にこっぴどくしかられた。


警察官に話を聞かれた。俺達は、知っているすべてを話した。
だが、顔が曖昧でイマイチ役に立てなかったのか、犯人は捕まる事が無かった。

 

以上。
幽霊も怖いが人間も怖いと思うに至った、懐かしい思い出話でした。

 

引用元/

https://itest.5ch.net/hobby7/test/read.cgi/occult/1110788477/